2015-12-12 民主・維新 統一会派結成で正式合意 今後の政局は?
民主党の岡田代表と維新の党の松野代表が会談し、来年夏の参議院選挙での連携を強化するため、来年の通常国会に向けて統一会派を結成することで正式に合意し、今後、野党勢力の結集を目指して、各党などに協力を呼びかけることを確認した。
会談には、民主党の岡田代表と維新の党の松野代表のほか、両党の幹事長も同席し、この中で、岡田、松野両氏は、来年夏の参議院選挙での連携を強化するため、来年の通常国会に向けて統一会派を結成することで正式に合意した。また、政策や理念を共有する幅広い野党勢力の協力や結集を目指し、各党や各会派などに協力を呼びかけることなども合わせて確認した。
両党は、衆議院については年内に統一会派を結成する方針で、新しい会派の勢力は、民主党が71人、維新の党が21人、合わせて92人となる。また、衆議院の新会派の名称は「民主・維新・無所属クラブ」とすることも確認した。一方、参議院は、維新の党内で早期の結成に異論が出ていることから、引き続き、結成時期を協議していくことになった。
民主党への合併方式をとった場合には維新の党の一部議員が参加できなくなり、合流の手法に関する結論は簡単に出そうにない。維新の党の国会議員は26人のうち22人が比例代表選出。比例議員は国会法で原則、既存政党への移動を禁じられている。民主党に合併するには、党として機関決定する必要がある。松野頼久代表ら衆院側の比例議員17人は、この手続きを踏めば民主党と合流が可能だ。これに対し、参院側の比例議員5人は全員が旧みんなの党から当選し、後に維新の党に移った。法律上はみんなの党として合併を機関決定しなければならないが、同党は昨年11月に解党した。民主、維新両党が合併方式を選択した場合、この5人は「置き去り」にされてしまう。維新側が新党にこだわるのはこのためで、「衆参両院で一致結束して動くべきだ」(幹部)と民主党に新党結成を迫っている。
新党なら比例議員の政党間移動に問題は生じない。民主党の保守系や中堅・若手議員も同党の解党による新党を主張する。「政権時代の失敗を引きずる民主党のままでは信頼は回復できない」(同党中堅)と、党名変更をはじめ大胆な党刷新を求める声もある。
しかし、解党すれば地方支部も解散しなければならない。来年夏の参院選が迫る中、民主党執行部は、党名を変更しても有権者に十分に浸透しない恐れがあるとみて、慎重姿勢を崩していない。
1998年に野党4党が合流した際、旧民主党以外の党は新党を要求したが、結局、旧民主党を存続政党として他党が合併した。2003年の自由党との一本化も「民由合併」の形をとった。
一方、民主党が社民党と生活の党に対し、維新の党との参院での統一会派に加わるよう打診していたことが11日、分かった。参院で民主、維新、社民、生活4党が統一会派を組めば計70人になる。民主党は参院で相対的に勢力が強いため、参院での統一会派作りを先行する方針。同党の衆院側に、生活の党の小沢一郎共同代表への拒否反応があることも考慮した。
興味深いのは、安倍首相や菅官房長官と近いとされる橋下大阪市長の影響力が強い「大阪維新の会」の今後の出方で、いろいろな意味で年末から年始にかけて政局の「台風の目」となりそうだ。