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2015-11-24 大阪ダブル選:大阪維新の会が府知事選、市長選ともに圧勝

任期満了に伴う大阪府知事選挙と大阪市長選挙は22日に投票が行われ、知事選挙では現職の松井一郎氏が再選、市長選挙では新人の吉村洋文氏が初当選した。地域政党「大阪維新の会」から立候補した二人が、有権者の圧倒的支持を得て、自民党や民主党、共産党が推す候補を大差で破った。
選挙中、松井氏は、橋下市長とともに進めた行政改革や議会改革などの実績を強調した。一方、吉村氏は、橋下市長の掲げた政策を引き継ぎながら、ほかの政党との合意形成を図る姿勢を強調した。その上で、松井氏と吉村氏は、現状では大阪府と大阪市の二重行政を解消できないとして、ことし5月の住民投票で否決された、いわゆる「大阪都構想」を練り直したいと訴えた。その結果、いずれも、大阪維新の会の支持層を固めるとともに、支持政党を持たない無党派層や、対立候補を推薦した自民党の支持層からも支持を得て当選を果たし、大阪維新の会が、引き続き、大阪府知事と大阪市長を確保することになった。
両氏は公約で「副首都大阪の確立」、「二重行政の根絶」を先に掲げ、都構想は「目的」ではなく、「手段」と位置づけた。住民投票から半年での再挑戦に対する批判をかわす狙いがあり、選挙期間中に「都構想」のキーワードを使うことを控えた。代わりに教育や子育てなどに重点投資した橋下改革の継承を訴え、無党派層に支持を広げた。
松井氏と吉村氏は、22日夜、そろって記者会見し、松井氏は「府と市が一体となった成長戦略と改革を、吉村新市長と継続し、豊かな大阪をしっかりつくっていきたい」と述べた。吉村氏は「これまでの橋下市政、松井府政の改革路線を継承し、松井知事と一緒に府・市一体でやっていきたい。橋下改革の中で修正すべき点や、私自身が独自に行うべき点を前に進めていきたい」と述べた。
投票率は、都構想の賛否を巡って対立する大阪維新と自民が5月に続いて激突したが、短期間で同じテーマが争点になったこともあり、盛り上がりを欠いたことが影響したようで、大阪府知事選挙が45.47%で、4年前の前回を7.41ポイント下回り、大阪市長選挙が50.51%で、知事選挙と同時に行われた4年前を10.4ポイント下回ったほか、ことし5月の住民投票を16.32ポイント下回った。

大阪府知事選挙開票結果
○松井一郎(大維・現)当選、202万5387票
▽栗原貴子(無・新)105万1174票
▽美馬幸則(無・新)8万4762票
現職の松井氏が、自民党が推薦し、民主党や共産党が支援する栗原氏らを破り、2回目の当選を果たした。

大阪市長選挙開票結果
○吉村洋文(大維・新)当選、59万6045票
▽柳本顕(無・新)40万6595票
▽中川暢三(無・新)3万5019票
▽高尾英尚(無・新)1万8807票
新人の吉村氏が、自民党が推薦し、民主党や共産党が支援する柳本氏らを破り、初めての当選を果たした。

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