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2015-12-23 来年度のGDP成長率、名目3.1%見通し

政府は22日の閣議で、2016年度の経済見通しを了解した。国内総生産(GDP)の成長率は、実額でみた「名目」で3.1%、物価変動の影響を取り除いた「実質」で1.7%。企業による賃上げが進んで消費が増える想定で、高成長を見込んだ。目標とする「名目GDP600兆円」を達成できるペースに近い高成長を目論むが、業績好調な企業による賃上げ、家計の所得増による消費増、17年4月の消費税の10%アップ前の駆け込み需要など、「経済の好循環」がベースとなっており、実現見通しは厳しい。
政府は試算した成長率をもとに税収を見積もり、24日に閣議決定する16年度当初予算案に反映させる。
名目GDPの実額は518兆円と、97年度(521兆円)以来の大きさを見込む。名目で3%台という成長率も、過去20年以上届いていない高水準だ。
成長率には、17年4月に消費税を10%へ引き上げる前の駆け込み需要の効果を、実質で0.3%見込んだ。総額3.5兆円の15年度補正予算も、成長率を0.3%押し上げるとみた。
一方、15年度の成長率は実質で1.2%、名目で2.7%と見込んだ。
政府は名目GDPについて、今の500兆円から、20年ごろに600兆円に伸ばす目標を掲げている。達成には毎年実質2%、名目3%程度の成長が必要で、今回の見通しはそれに近い数字だ。
過去20年の実質成長率は平均0.8%。名目で3%台の成長は達成したことがない。多くの民間研究機関の16年度成長見通しは、実質約1.4%、名目約2.0%と、政府見通しよりも低い。

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