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2016-02-02 IR(統合型リゾート)導入を真剣に議論しよう

政府・与党はカジノを中心としたIR(統合型リゾート)推進法案について、導入に慎重論が根強い公明党が夏の参院選前の成立に難色を示したため、今国会での成立を見送る方針を固めたとされる。成立どころか、甘利前経産大臣の金銭問題もからみ、審議入りさえ噂にものぼっていないというのが、今国会におけるIR(統合型リゾート)推進法案への扱いについての悲惨な現状だ。
夏に参院選があるのは確定的事実であって、この微妙で繊細な時期に、通常国会にIR(統合型リゾート)推進法が成立する可能性はない状況なのは、内外の関係者の間でも織り込み済みではあった。
しかし、法案が話題にすらなっていないこの危機的状況に、IR議連の先生方を始め、与野党の間で、動きもなく、声すら上がらないのは情けない。せめてIR議連は総会を開き、気勢を上げ、改めて決意表明をするくらいできないのであろうか。このままでは風化しかねない。
一方で、上程されて以来久しいIR(統合型リゾート)推進法案も、そろそろ内容的に現状に適合していないものになりつついあるのではないかという危惧がある。もしこれからも「たな晒し」状態が続くようであれば、改正されるべきであろう。
とりわけ、「IR(統合型リゾート)の整備は国の成長戦略に位置づけられるべきものであり、2020年東京オリンピック・パラリンピックに間に合うよう、最大限努力すべきである」とあるが、2020年までに統合型リゾートの開業が間に合うことはすでに不可能になっていることは自明の理だ。
何度も書いてきたように、有権者の顔色ばかりうかがっていないで、国の将来を見据えて真剣な政策論議をしてほしい。それでなくとも、この国の未来に対する課題は山積みで、難しいものばかりなのだ。大変な課題を背負うことになる将来の世代のためにも、この国に光をもたらす可能性のあるIR(統合型リゾート)の導入に関してもっと真剣に論議してほしいと願うのは、決して我々だけではないはずだ。

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